1.kintonia(8bit)へのこだわり
ごあいさつ
チャオ、アミーゴ。
俺、パンチート。本名は、パンチート・ロメロ・ミゲル・フニペロ・フランシスコ・クインテロ・ゴンザレス(スペイン語: Panchito Romero Miguel Junipero Francisco Quintero González)だけど、覚えなくていいぜ。そう、俺はいつだってパンチートなんだ。
さて、普通の口調に戻ろう…よろしくお願いいたします。(笑)
私が担当した部分のお話をいろいろとしていこうと思います。
どうしてファミコンなのか?
今回のkinfamiは、どうしてファミコンがコンセプトになっているのか?というところをお話したいと思います。
実はこの30年くらい、常に私の中に「ファミコンしたい」というのがあって「時間が出来たら、なにしたい?」の質問の答えはいつも「(ゲームがしたいのではなく)ファミコンしたい」でした。
スマホケースもiPhone4Sのころはファミコンコントローラで、首からぶら下げていて、何度もガン見され「触らせてください」って言われることも多くありました。(笑)
そんな私は昨年あたりから「ファミコンのカセットを買い集め」たいと思うようになって、いろんなお店を回り、兵庫県内のショップのほとんどを回ってきたり、県外に行っても近辺のお店を回ったりしていました。
それをSNS上で見ていた、ホセ・森田さんが「パンチートは、最近ファミコンですよね」この一言から今回の企画は動き出すことになったのです。
こだわった世界観
それは「今回画面上に映し出されるもの、耳に入るもの、それらは、ファミコンの実機と同等である事」でした。
実は、音楽の業界では「チップチューン」という便利な言葉がありまして、ファミコンの音源を使って「外部からゴリゴリにいじり倒せる」ようにして、ファミコンの音を使った楽器として鳴らすことができる。というのがあるのです。
でもそれは私の好きな「ファミコンの音楽」とは程遠いもので、そんな音楽をききたいわけではない私は、その世界の音楽を好んで聴くことはありません。
ですので、今回は見た目が出来る限りファミコンの実機である印象になるように、以下の点にこだわりました。
画面上では、
・キャラクターは16×16ドット
・1キャラクターに同時に使える色数は、3色+黒の4色以内。
・使える色は、ファミコンと同じパレット縛り。
・画面の縦横比は、ブラウン管の時代なので4:3
・フォントは8bit風のドラクエ風フォント
音楽では
・ゲーム本編の同時発音数は3音+ノイズのみ
・オープニングは、ディスクシステムをイメージしてディスク音源+1音。
・過度なエフェクト(アルペジオなど)は禁止
というあくまで、だれもが知っている、見てきたもの、遊んできたものとの差が存在しない
ハードの成約をそのまま我々に課した「制約のある開発」で開発をおこなってきました。
追記)
とはいっても実際にファミコンで遊んでいたのは小学生の頃なので、音楽はさておき、画面表示などについて制約事項を知っていたわけではないので、今回の製作に際してネットなどで調べて勉強しました。その際にとても参考になったのが下記のページです。もし興味があれば読んでみてください。
https://www.wizforest.com/OldGood/ntsc/famicom.html
ファミコンの持つオーラの凄さ
石際さんも書かれているかと思うのですが、とにかく「ファミコン」実機のもつ「本物感」はすごいと思うのです。
それは、本体一つ、カセット一つ、コントローラ一つとってみても、そのどれもが「触りたくなる」エネルギーを持っている。これは「互換機」からは全く感じられないのです。(しかし海外のNESからは、私が特に感じないことを思うと、その時代に触れていたゆえの体験からくるものかもしれませんが)あのカラーリングの魅力も相まって、先にも書いたスマホケースでさえ「二度見」「触らせて」と思わせる魅力があるのでしょう。
石際さんと、(のちにご神体となる)実機を見つけて購入してから、何度もそのオリジナルゆえの存在感を感じました。
会場やオンラインで見られた方も、同じように「触ってみたい」と思っていただけていたらうれしいですね。
目指したもの
一つのゲーム作品を模したものを作ったとはいえ、新作ゲームを作りたかったわけでもなく、完全にオリジナルなものを作ろうとしたわけでもないのです。あくまで「自分たちが遊んできた作品への憧憬」を投影したものになっています。
オープニングの音楽は永遠の名曲と思う任天堂の「ゼルダの伝説」を目指して作曲しました。そこに音楽的にはアジアなテイストをいれたかったので同じく任天堂の「鬼が島」を意識していたり。(詳しくは音楽部分の記事で書きたいと思います)
本編の見た目はドラゴンクエストですよね。私自身RPGはあまりしないのですが(笑)、だれもがわかりやすい「ファミコンのゲーム」といえば「スーパーマリオ」か「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」だと思うので、その中からど真ん中の「ドラクエ」をチョイスした感じです。
見た人が、遊びたい!触ってみたい!やってみたい!と思っていただける要素を盛り込むことに全力投球してきました。
そんなわけで
ファミコン好きが、プロデュース、ディレクションを行って、最新のテクノロジーと、レガシーテクノロジーの融合を、どうワクワクするデバイス&インターフェイスに仕上げられたかどうか?が今回の着地点ではないかと思います。
ぜひなにかの機会に触れていただき、面白さの一端を感じていただければと思います。
アディオス、アミーゴ!